プロトスター第4回公演を終えて

 こんにちは!

 プロトスター代表の笠島です。

 プロトスター ドラマリーディング 第4回公演「矜持」は2025年11月2日(日)に函館市青年センターで無事終了いたしました。これまでの公演で最も多い65人のお客様にお越しいただくことができました。ご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

 本記事では、その様子を振り返っていきます。

 本公演は太宰治「走れメロス」とそのパロディである森見登美彦「新釈走れメロス」の同時上映という企画でした。これは私が大学生の時から温めていた企画で、一度企画段階までいったもののついにお蔵入りとなっていたものを満を持して上演したものです。弘前大学在学時、津軽カタリストに所属していて太宰治に触れる機会が多かったこと、大学生協の書籍売り場で森見登美彦「夜は短し、歩けよ乙女」と出会い、その作中で大島弓子、川原泉や萩尾望都らを引用していて「この作家、信頼できる!!!」と思ってからズブズブと森見ワールドにのめり込んだ後、メロスのパロディを書いていると知ったこと、その偶然たる必然がこの企画を爆誕させました!今回、アンケートを見てみると多くのお客様に楽しんでいただけたようで本当に良かったです。

 1作目・太宰治「走れメロス」はご存知教科書にも載る名作中の名作。笠島の古巣・津軽カタリストから脚本一式をお借りしての上演でした。この作品のポイントは「あの頃教科書で読んだ時と違う印象をお客さん感じてもらうこと」でした。主役たるメロスは芝居組「虎」金谷藍子さんに情感豊かに演じていただき、語りやセリヌンティウス、ディオニス、フィロストラトスらがガッチリ脇を固めるイメージで作りました。たぶんあの頃教科書で読んだ時って、先生やCDの淡々とした朗読で感情があまり表出されてなかったと思うんですよね。それとは真逆の声での動の表現、そこに拍車を掛けるのではない、一歩引いた引き算の長谷川考治先生の演出、津軽カタリスト平田代表の構成がうまく調和して楽しんでいただけたのではないかと自負しております。津軽カタリスト、さまさま。

 2作目は森見登美彦「新釈走れメロス」。舞台を古代シチリアから現代京都に置き換えた、ダメダメ大学生が主人公の物語。「ブリーフ一丁で学園祭のステージで踊るかどうか」が物語のキモになる時点でちゃんちゃらおかしいワケですが、それは森見ワールド、小気味良いワードの連続で流れるようにストーリーが進んでいきます。もうこれの目的は肩の力を抜いて楽しんでもらおうのただ一つです。観客席を見ながらお客さんがニヤニヤしてるのがわかって、演じるこちらとしてもめちゃ楽しい40分でした!ステキなイラストは毎度お馴染み早渡野苺さん。こちらで何枚か紹介させていただきますね。

 今回の公演もたくさんの人にお世話になりました。朗読経験は浅いながらも野球選手で例えるならシーズン通して3割1分打つみたいな抜群の安定感で公演を支えてくれた朗読教室ボイスルームの悠陽さん、前回に引き続きキャラの濃い登場人物の数々を声音を変えて豊かに表現してくださった山本彩さん、公演当日は高熱出て出演できなかったけど放送部経験者として稽古の時に多くの気づきを与えてくれた劇団Null山田真那子さん、主役を客演に託すというウルトラCを二つ返事で引き受けて血タギタギの若者メロスを熱演してくださった芝居組「虎」金谷藍子さん、直前になって役割を増やしてしまったのにも関わらず嫌な顔をせず裏方を担ってくれたあかねさん、何にもご恩返しできてないのにいつも気にかけてくれて脚本一式まで貸してくれる津軽カタリストの皆さんと平田代表、公演に際し多大なご配慮をいただいた函館市青年センターの皆さんと池田センター長、著作権申請にあたりお心を砕いていただいた株式会社祥伝社さん、毎度超絶クオリティ&遊び心のあるイラストを描いてくれる早渡野苺さん、そしてご来場いただいたすべてのお客さま、本当にありがとうございました!

 次回は5周年記念公演です。毎年ヒィヒィ言いながら準備に追われるのですが、来年こそは余裕を持ったスケジュールでやるんだ!!!ということで頑張る所存でございます。予定している作品は私笠島が今まで読んだ中で一番大切にしている小説。「著作権申請よ、通れ」と念じつつ準備を進めて参ります。

引き続き応援のほどよろしくお願いします!

【公演概要】

◇プロトスター ドラマリーディング 第4回公演「矜持」

ーそれは、愛と友情と信頼の物語。

2025年11月2日(日)開場13:30 開演14:00

函館市青年センター体育館(北海道函館市千代台町27番5号)

入場無料 要予約 上履き持参

 教科書にも載る太宰治の不朽の名作と、本屋大賞や山本周五郎賞など数々の受賞歴がある現代の人気作家・森見登美彦によるそのパロディを一挙披露します。読書の秋に文学に浸るひと時へ、プロトスターと仲間たちが皆様をご招待します。

(ドラマリーディング)

太宰治「走れメロス」

森見登美彦「新釈走れメロス」(祥伝社)

プロトスター/PROTOSTAR

函館・道南で朗読とドラマリーディングをする団体です。 2022年4月に市立函館高校放送局8期の3人で旗揚げしました。 団員募集中です。

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